SANTALUCIA ZERO開発秘話
2022.09.15 Thuバイヤーズノートをご覧いただき、ありがとうございます。
本日は、この秋冬にデビューしたONLYの打ち出し商品であるSANTALUCIA ZEROについてお話したいと思います。
その前にご報告が遅くなりましたが、7月にイタリア・ミラノに出張してまいりました。
無事に日本に帰れるか心配な旅でしたが、しっかり陰性で帰ることができました笑
既に来年の秋冬の生地の展示会だったのですが、ヨーロッパではとてもクラシック回帰が進んでいます。特に若い人達がTシャツやポロシャツではなく、海にリネンのシャツを着て行くという話は印象深かったです。長らく続いたカジュアル化の流れがこれから大きく変わるかも知れません。
しかし、カジュアル化の流れで一度楽な着心地を体感してしまうと、昔のようなガチガチのクラシックスタイルには戻りにくいのではないでしょうか?
そこで、この秋冬コレクションは「NEW CLASSIC BEGINS」をテーマに掲げて、見た目はかっちりしたクラシックなのに、時代に合った楽な着心地の商品を多く提案しております。
一つ目は、究極の軽さを誇る「SANTALUCIA ZERO」のデビュー。
二つ目は、ストレッチ性に富んだジャージーをクラシックに仕立てた「JERSEY JOURNEY」です。
今回はSANTALUCIA ZEROについて、ご紹介したいと思います。
日本人に合ったサイズ感のナポリテイストが非常に人気なSANTALUCIAモデル。それを更にアップデートしました。毛芯をなくすことで、約130gも軽量化に成功しました!
サンタルチアゼロ一覧を見る
毛芯をなくすという作業は簡単なようですが、実は作り手にとっては非常に難しいことです。芯地を入れることは、立体的に洋服を作るために必要なことです。そして、また日本人に多い前肩などの身体的な特徴を、肩パットなどで上手く隠すことができます。実際にセットアップなどでカジュアル工場が作った簡易的な芯なしジャケットは巷に溢れています。それらを羽織ってみると、肩にシワが入ったりしませんか?それらの欠点を無くし、アイロンワークなどで立体に仕立てることは、熟練のスーツ工場のみがなせる技術です。特にイタリアの工場は上手く、それが世界中で支持されている理由です。この難題にパターンの調整と工場の縫製を何度も見直しました。
また生地との相性もあります。我々は「生地とパターンと縫製のバランス」を重視していますが、このような柔らかい仕立て方に合う素材を世界中のコレクションから選定し、何度もサンプルを仕立てて検証しました。
行き着いたのは、イタリアDRAGOと検討を重ねた別注生地です。
この生地は、平織独特の柔らかさを持ち、起毛することで膨らみを持たせた生地です。膨らみがある分、構築的に見えて仕立て映えします。また縦横に伸びる2WAYストレッチが、更に着心地をアップさせています。
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この様に難易度が高いモデルなので、全ての生地で展開することはできません。厳選した生地だからできるモデルとなります。もちろんオーダーメイドも対応できません・・・。
芯地がない分、程よい抜け感も出て、ニット合わせでもおススメできます。
スーツの見た目と、セットアップのような着心地と着回しができるSANTALUCIA ZERO。その軽さを是非店頭でご体感ください。お待ちしております。