【徹底解説Vo.2】二つの靴の何が違う?? ONLY PREMIO ルクアイーレ店

2023.06.07 | ルクアイーレ店

ONLY SHOP BLOGをご覧いただき誠にありがとうございます!

ONLY PREMIO ルクアイーレ店でございます。

 

今回は店頭でもお伺いされることの多い、革靴の違いについて解説させて頂ければと思います。

 

前回のシャツ同様大まかな革靴のご説明から入り、最後に弊社の取り扱う全く同じデザインの革靴二種の差をご説明いたしますので、最後までご閲覧いただけますと幸いです。

 

https://only.co.jp/shopblog/2023/04/28/ire0428/

⇧シャツの解説はこちら

 

革靴の値段の差はどこで出る??

 

革靴は数千円のものから何百万(本当にごく一部)とするものまで幅広く存在しておりますが、皆様はその違いはご存じでしょうか?

 

分かりやすいところでは「本革」か「合皮」かというところですが、実はそれ以外にも多くの差の出るポイントがございますのでお伝えしていきます。

 

「革そのものの品質差」

 

まず初めに上記でも記載している革そのものの違いが品質差に表れます。

「革」という漢字ですが元は「皮」であり、漢字での表現が変わる際には「鞣し」という加工が入った段階で表現に違いが出てきます。

 

その革になる元の段階ですが、牛の産地や飼育環境、年齢や性別によって品質差がでてきます。

 

基本的に食肉の二次産業として生まれた経過があるので、アメリカやヨーロッパ圏が名産地として多くあります。

飼育環境は明確に公表されている事は少ないので信憑性の部分から省略します。

 

特に重要なのは「年齢」になります。

大きく三つに分類され、「ステア」、「キップ」、「カーフ」と呼ばれます。

 

①ステア・・・生後2年以上の雄の革。生後3カ月から6か月のうちに去勢されている為、去勢されていない物(ブル)に比べて厚みも均等で柔らかさがあります。食肉の二次産業での取り扱いも多い為に供給量が比較的に安定しています。

 

②キップ・・・生後1年以下の仔牛の革(性別問わず)。ステアに比べ希少性が少し上がる為高価になる傾向があります。品質としても毛穴が目立たず、丈夫さもあり、加工がしやすい為重宝されます。

 

③カーフ・・・生後6か月以内の仔牛の革。最も柔らかくキメも細かいので高級として扱われます。半面供給量が少ない為価格も高価なものが多いです。

 

さらに細かく分けると「ハラコ」や「カウ」などになりますが、こちらは省略します。

 

このように年齢によっての品質差もありますが、更には「等級」にも分かれておりカーフの中の1級~3級という分かれ方もしていきます。

ダイヤモンドの「4C」と同じような物だと思っていただいて大丈夫です。

 

更には皮を加工する「タンナー」と呼ばれる鞣し業者の技術差や、鞣し方によっての差も出る為ランク分けするのはかなり困難と言えます。

世界的に有名なタンナーでいうと「アノネイ」、「デュプイ」、「イルチア」、「ワインハイマー」、「ホーウィン」、「ゾンタ」等が挙げられます。

因みに日本にも存在しており「栃木レザー」や「新喜皮革」などがあります。

 

靴の作りの違い

 

次に靴の作り(製法)の差があります。

こちらも主に三つの製法に分かれており、その差が品質差や価格差として現れる事も多いです。

 

①セメンテッド製法

 

まず一つ目の製法ですが、セメンテッド製法というものになります。

文字の如くセメントという名の通り、接着剤でアッパー(靴の上の革)とソール(靴底)を着けたものになります。

最大のメリットは何といっても低コストで作れるところです。

大量生産されている靴の多くはこちらの製法によって作成されております。

もう一点メリットがあり、雨の染み込みがし難い事も雨大国の日本では嬉しいところです。

しかしデメリットが大きく一点あり、修理が基本的に不可になるというところがあります。

ただ私自身知人の靴修理職人に聞いたところ出来るものもあるそうなので、絶対ではないそうです。

 

②マッケイ製法

 

こちらは皆様大好きのイタリアでよく使われる製法になります。

作りはとても簡潔でアッパーとソールを縫い合わせている製法となります。

こちらのメリットは軽さと、履き馴染みが良く最初から履きやすい事が特徴です。

また修理にも対応出来るので長期的な着用が可能となります。

デメリットですが、元々雨の少ない地域で生まれた製法の為水濡れには弱く、染み込みがしやすい状態となります。

 

③グッドイヤーウェルテッド製法

 

こちらは基本的に高級革靴の多くに採用される製法となります。

記述での作りの説明が難しいのですが、先程のマッケイ製法は上と下を単純に縫い付けただけとなりますが、こちらはその間に一枚挟んで縫い付けているといった感じです。

つまりは直接上と下を縫い合わせていないので、先程の水の染み込みが少ない事が挙げられます。

その他のメリットですが、修理が可能なことは勿論のこと、ソールとの間にクッションがある感じなので足の疲れ難さもあります。

元々イギリスで使用された製法の為に雨が多く、地面が固い土地柄にはとても合っていたことになります。

反対のデメリットですが、製法の都合上手間がかかるのでコストが高めなことが多いです。

またソールの反り返りが悪い為に履き馴染むまでの硬さを感じることがあります。

元々はハンドソーンウェルテッドという手作業でされていた製法の為、そちらの機械化された製法となります。

 

三つの製法の見分け方

 

上記の三つの製法ですが、簡単に見分ける事ができます。

お持ちの靴やこれからのご購入の際のポイントとしてご参考下さい。

 

・セメンテッド製法

 

こちらは上記でも記載したように接着剤で付けているだけですので縫い目が無い事が特徴です。

基本的に靴の内側(インソール)と靴底(アウトソール)を見ての判断ですが、両方に縫い目が無く、軽さを感じる場合は凡そセメントと思っていただいて大丈夫です。

しかし近年の技術の進歩で、見せかけの縫い目をわざわざ付けているメーカーも見受けられますので注意してください。

・マッケイ製法

 

マッケイ製法に関してはアッパーとソールを縫い合わせている為、靴の内側(インソール)と靴底(アウトソール)に縫い目が出る事が特徴です。

特にマッケイはアウトソールでも少し内側に縫い目が出る事が多いのでそちらで見分ける事が可能です。

・グッドイヤーウェルテッド製法

 

グッドイヤーに関してはアッパーとソールの間に一枚噛ませて縫っているので、靴の内側のインソールには縫い目は出ません。

インサイドソールにつけられたリブ部分を縫い合わす為、マッケイに比べアウトソール部分の縫い目が外側に出る事が特徴です。

ですので靴底に縫い目があり、内側にない場合の多くはグッドイヤーだと思っていただいて凡そ問題ありません。

しかしこの三つの製法のほかにも派生した製法が数多く存在しているので、あくまで参考程度になることをご了承下さいませ。

因みにその他によくみられるものとしては「ブラックラピド製法」や「ステッチダウン製法」、「ノルウィージャンウェルト製法」等があります。

 

結論

上記の考察をした上でまとめると革質と製法によって価格や、品質の差がでることがお判りいただけたかと思います。

しかしながらグッドイヤー製法の靴でも5万円で展開されていたり、セメント製法のものでも10万近いものも存在しております。

 

これらの違いですがやはりブランドや作り手の技術のところの差にはなるかと思います。

前回のシャツの解説でもお伝えしましたが、手作業で作られている物や副資材の品質差、どの国で作っていて、どんな人が作っているのか・・・

その一つ一つの違いが今の日本の革靴の価格差になると思います。

 

世界的な靴職人であるロベルト・ウゴリーニ氏の作る靴は50万円以上の靴になりますしね・・・(笑)

 

さてここらからは弊社で展開しております全く同じデザインの靴の違いをご説明いたします。

 

品番:202 ストレートチップ(オックスフォード)¥16,000(+Tax)

まずはこちらの一足からご紹介いたします。

ONLYの定番品ですので、毎シーズン展開しております。

 

デザインとしては一足目に欲しい黒のストレートチップ(別称:オックスフォード)。

日本では冠婚葬祭はじめ就職活動や、ビジネスでもフォーマルな一足とされるので最初の一足目に最適です。

 

革はノーブランドではありますが、耐久度もある感触なので手入れに慣れていない方には丁度いい革だと思います。

 

製法は「マッケイ製法」の中でも特殊な「360度マッケイ」を採用しており、通常のマッケイより更に履き始めからの馴染みの良さを出しています。

通常のマッケイ製法ではヒール部分を除くアウトソールのみを縫い合わせますが、全周マッケイ縫いする事でヒール部分の足当たりも良い事が特徴です。

 

マッケイではありませんが、アメリカの歴代大統領がご用達の米アレン・エドモンズ社の靴にも同じように360度グッドイヤーというものが採用されています。

「コバ」と呼ばれる靴底の横部分にも加工がされており、「ツメコバ」という加工をしております。

こちらは後程ご紹介するもう一足にも同じ加工がされておりますが、こちらは靴の見た目の野暮ったさを無くす加工でスマートに見せる意味合いがございます。

 

日本では他に「矢筈コバ」という加工も有り、こちらは日本特有の細部に神は宿る精神を感じられますのでご興味がある方は是非とも検索してみて下さい。

形ですが、ブリティッシュテイストの木型(ラスト)ではありますが、ややロングノーズ気味ではある為にスペイン靴のような雰囲気を感じます。

ボールジョイントと呼ばれる足の横幅の一番広い部分を見てみるとやや細く、土踏まず部分も絞りが強いので、年配の方に比べ若年層の方が足に合う可能性がございます。

 

続いてもう一足のご紹介になります。

 

品番:321 ストレートチップ(別称:オックスフォード)¥24,000(+Tax)

 

見た目は正直先程の物と変わりはございません。

異なるのは前述しております「革」と「製法」になります。

 

こちらは上記でもチラッと書いておりますブランドタンナーの革を使用しております。

食肉で例えると神戸牛や松坂牛みたいなものです。

 

フランスの名門タンナーの「アノネイ社」の作るベガノカーフと呼ばれる革になります。

アノネイ社はエルメスの傘下に属するタンナーですので、間接的にいうところの世界のハイブランドの革製品と同じ革を使っているという事になります。(もちろん等級の違いはあるとは思いますが・・・)

 

ベガノカーフの特徴としては革に加工する際の「鞣し」の方法が特殊で、革そのものの風合いを楽しめるのが特徴となります。

通常のボックスカーフと呼ばれる顔料を使用した鞣しに比べて革に透明感があり、エイジングが楽しめる逸品です。

続いて製法ですが、こちらは「グッドイヤーウェルテッド製法」を採用しております。

 

先述した通り最初こそは履き馴染みに悩むものの、馴染みが出てくると足の形に応じて変化するので履き心地が良くなることが特徴です。

作りが堅牢である為に多少雑に扱おうが壊れるなどの心配は基本有りません、

また雨にも耐えやすい作りであるのも、雨大国としては嬉しいところです。

 

こちらも品番:202と同じように「ツメコバ」を採用しております。

アウトソールには弊社最高級ラインの「PREMIO」である故のブランドロゴの刻印もされております。

 

形ですが、先程の品番:202に比べてよりブリティッシュな木型(ラスト)になっております。

長すぎないノーズは本来足が大きい事=労働者の足という認識があった階級社会英国ならではの形です。

 

ボールジョイントもややゆったりしており、幅広い年齢層の方でも履きやすい形かと思います。

甲が少し高く作られており、甲高の方でも圧迫感は少ないかと思います。

 

このように全く同じデザインの靴でも違いがある事をご説明させていただきました。

たかが靴ですが、されど靴でもあります。

 

当店にご来店される方の多くは大阪という都会でお仕事をされている方が多いとは思います。

都会はコンクリートの地面が多いので足が疲れやすく、痛みやすい状態になります。

靴選びも快適さを求めてみるのもいいかもしれませんね。

 

靴のご相談は勿論、手入れのご相談などもご気軽に仰っていただければご説明いたしますので何なりとお申し出くださいませ。

因みにですが、こちらの写真の靴に使用している紐の結び方を「ベルルッティ結び」と言い、簡単には解けない結び方なので紐がすぐ解ける方やお子様の靴に使われると快適になりますので、お調べくださいませ。

 

さらに、店頭では『ONLYメンバーズ ご紹介キャンペーン』を実施中です🎵

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スタッフ一同心よりお待ち致しております😊

最後までご覧いただきありがとうございました✨

 

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