ちゃんとしたスーツが欲しいけど、知識に自信がない……。もちろん、知識がほとんどなくてもスーツは購入できる。
だが、基本的なことを知っていれば、自分の理想や体にぴったりのスーツを手に入れられる可能性はアップする。
新人が先輩スタッフにスーツの基本を教えてもらう本企画、第2弾となる今回は、スーツの色と柄、生地の種類について。
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入社1年目の後輩 亀戸の若きスーツ剣士 ONLY カメイドクロック店 スタッフ
大橋和真2000年千葉県生まれ。父の影響を受けてスーツ好きに。剣道で鍛えた強靭な体幹と、英国人の曽祖父譲りの端正なマスクを武器にスーツ道に邁進する。趣味はバンド活動とジム通い。
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教えてくれる先輩 ONLYが誇る“スーツ・プロフェッサー” ONLY 東急百貨店本店 店長
白田亮治1979年東京都生まれ。学生時代にドレスクロージングの魅力に目覚め、アパレルの道へ。豊富な服飾知識に加え、部下や後輩から慕われる温厚な人柄の持ち主。趣味は子供とのバスケ。
スーツの基本.01
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何色のスーツを持っておけばいいっすか?
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ネイビー、グレー、ブラックがスーツの基本色です
スーツを買う際に、多くの人が「何色のスーツを買おうか」と考えるはず。
スーツの基本色は、大きく分けて、ネイビー、グレー、ブラック。この3色をベースに揃えるといいでしょう。
それぞれの色の持つイメージを知ったうえで、シーンに合わせて使い分けましょう。
NAVY
初めに買うべき一着を挙げるなら、やはりネイビースーツです。知性や清潔感、信頼といったイメージを持つこの色のスーツは今も昔もビジネススーツの代表格。明るいネイビーなら若々しい活動的な雰囲気を、ダークネイビーなら落ち着いたフォーマルな雰囲気を演出できます。
GRAY
グレースーツはネイビーと並ぶ定番スーツ。都会的で洗練されたイメージを持つこの色のスーツは、欧米のエグゼクティブの間ではネイビースーツをしのぐ人気を誇ります。トーンの明るいライトグレーならクールな、黒に近いチャコールグレーならシックなイメージが強まります。
BLACK
日本ではブラックスーツもビジネススーツとして認識されています。ネイビーやグレーとはひと味違うモードな気品のあるイメージが持ち味で、パーティにも映えるでしょう。ただ、ビジネススーツの場合は光沢のある生地が主流で、冠婚葬祭で着用する礼服の場合は光沢のない生地が用いられます。
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欧米ではむしろ、
グレースーツを着る
ビジネスマンが多いらしい -
ちなみにブラックスーツを
ビジネススーツにするのは
日本ならでは
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スーツの基本.02
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お洒落に見える
スーツの柄が知りたいっす -
今どきな4つの柄を
知っておきましょう
「無地のスーツに飽きを感じる」、「スーツスタイルをお洒落に見せたい」というなら、
柄もののスーツを選んでみては? スーツに使われる代表的な柄といえば、ストライプとチェック。
それぞれにさまざまなバリエーションが存在し、スーツ姿をお洒落に演出してくれます。
ピンストライプ
ピンで打ったように細かい点線が連続して縞柄に見えるストライプのこと。紺地に白などはっきりとしたピンストライプは誠実さや清潔感のあるイメージを持つことから、英国では銀行家にも愛用されています。
ペンシルストライプ
その名の通り、鉛筆で線を引いたように細く、かつ単色の縦縞のこと。なお、ストライプは縞の間隔もポイントで、幅が狭いほど上品かつフォーマルな印象に、広いほど華やかでカジュアルな印象になります。
シャドーストライプ
遠目だと無地のようにも見えますが、光の角度や見る角度によって見えるストライプ柄です。柄が目立ちにくいため、結婚式などのフォーマルなシーンはもちろん、ビジネスシーンでも使いやすい柄です。
グレンチェック
プリンス・オブ・ウェールズ・プレイドとも呼ばれるスコットランド発祥のチェック柄。数本からなるストライプを縦横に組み合わせて箱型の格子を作り、そこに色の異なる大きな格子柄を組み合わせたもの。
バーズアイ
日本で鳥目織りとも呼ばれる柄は、小鳥の目のように見える柄が特徴。異なる2色の糸で織られた生地は、光沢が抑えられたマットな質感が持ち味です。主張が控えめなチェック柄はビジネススーツの柄としても最適。
ヘリンボーン
綾織りによる柄がヘリンボーン(ニシンの骨)のように見えるストライプのこと。遠目だと目立ちませんが、近づくと光の加減によってさりげなく柄が浮かび上がります。耐久性に優れ、シワになりにくいのもメリット。
- 今シーズンの私のお気に入りは、
チャコールグレーにペンシルストライプが配されたこのスーツです。起毛感のあるフランネル生地と相まって上品な雰囲気に。
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ストライプが同系色だと
印象が強すぎないから、
着こなしやすそう!
スーツの基本.03
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スーツの生地ってどうやって選べばいいっすか?
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季節に応じてチョイス
するのがお洒落ですよ
さまざまなバリエーションが存在するスーツの生地。同じウール(羊毛)生地であっても、質感や起毛の有無、ウェイトなどに違いがあるので、季節に応じて選ぶのが正解です。ここでは代表的な4種類の生地を紹介します。
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モヘア
モヘア混のウール生地は、アンゴラヤギの毛とウールを混紡して織られた、春夏の代表的な生地です。豊かな光沢とハリが特徴で、サラッとした清涼なタッチは夏場の汗ばんだ肌にも快適です。
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トロピカル
英国からインドなどの熱帯地方に向けて輸出されていた薄手の生地が名の由来。細い糸を粗目に織り上げることで、通気性に優れたドライタッチの生地に。日本でも夏用のスーツに重宝されています。
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モヘア
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フランネル
英国のウェールズ地方で生まれた生地は、平織り、もしくは綾織りで織られたウール生地を縮めて毛羽を抑えたもの。ソフトで保温性に富み、冬用のスーツに多用されます。フラノやネルとも呼ばれています。
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サキソニー
最高級のメリノウールが使われた綾織りの毛織物。縮ませた後、クリアカット加工で毛羽をカットすることで、表面にはなめらかさと豊かな光沢が生まれます。軽さとしなやかさをあわせ持つ、フランネルと並ぶ秋冬の定番生地です。
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フランネル
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フランネルとサキソニーの
違いって?? -
サキソニーは軽くて艶があり、
一方のフランネルはしっかり
していて厚みがあるよ
白田センパイの知っ得コラム
オンリーでスーツを買う時は、
値札の目付を確認しましょう
スーツの生地は色々ありますが、結局、着心地のよさを一番左右するのはウェイトですよね。そこでオンリーでは、値札に生地の重量を明記しています。生地の1mあたりの重さ(ℊ)を示すもので、このスーツの場合は1mあたりが250ℊであるということ。オンリーでは、その生地がどの季節に向いているかを判断する目安として使っています。
- 240~260g/mオールシーズン向き
- 240g/m以下春夏向き
- 260g/m以上秋冬向き
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最適なシーズンがひと目で
わかるなんて便利ですね!
シューズとベルトの色を
揃えると着こなしがすっきり見えます
- BEFORE
- AFTER
靴とベルトの色はできるだけ揃えるのが着こなしの基本ルールです。ブラウンの靴にはブラウンのベルトを、という風に色を揃えれば、着こなしに統一感が生まれ、一段とスタイリッシュな印象に。可能であれば、バッグの色もできるだけ揃えましょう。
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スーツスタイルの印象が
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ONLY PREMIO TOKYO 有楽町店
有楽町駅徒歩3分の立地に構える都内最大級のスーツショップ。正統派のベーシックスーツから時代を捉えたビジネスカジュアルウェアまでラインナップします。限定テーラーメイド生地など、ここにしかないアイテムも。広々とした店内でゆっくりとショッピングをお楽しみいただきつつ、理想的な一着をお求めいただけます。
詳しくはこちら 写真/上樂博之構成・文/押条良太(押条事務所)