ブラックフォーマルを着こなす!冠婚葬祭の服装マナーとは

2019/01/07

  • スーツのシーン別マナー

 

冠婚葬祭で男女ともに黒い服装を着用するシーンといえば、真っ先に思い浮かぶのが「葬」に当たるお葬式でしょう。お葬式に参列する際は、単に黒い服装なら何でもよいというわけではありません。略礼装のブラックフォーマルが一般的な正しい装いです。若い方で勘違いをしている方もいらっしゃいますが、就活用の黒のリクルートスーツとブラックフォーマルは全くの別物になります。ブラックフォーマルスーツを就活の企業訪問で着用することはあり得ません。同じように見える黒のスーツでも、それぞれ用途が違うのです。そこで、このコラムでは、冠婚葬祭の服装マナーとブラックフォーマルの着こなしについて紹介したいと思います。

 

冠婚葬祭の時に着用する!ブラックフォーマルってどんなもの?

ブラックフォーマルは、リクルートスーツやビジネススーツとは素材も違えばデザインも違います。何よりも、黒の深さの度合いが違うのです。無彩色である黒に浅いも深いもないだろうと思われる方もいるかもしれません。ですが、両者を並べて比較すると一目瞭然なのですが、ブラックフォーマルの黒は深みのある濃い黒色をしています。黒ければ黒いほど上質となるのです。それに比べ、リクルートスーツの黒は、一見すると濃いネイビーなのか濃いチャコルグレーなのかが判別しづらい色をしています。ブラックフォーマルの生地は、何度も染めて漆黒に近づけています。濃く黒く仕上がった生地がその手間も加わるため値段も高く、格調高い上質の生地となるわけです。ですので、リクルートスーツの色を選ぶ際に「冠婚葬祭で着られるからブラックを選ぼう」というのは間違っています。お葬式は故人を偲ぶため正装でお別れをするという意味合いがあり、参列する側は略式の礼服を着用するのが古くからのマナーです。仮に正礼装のモーニングコートを持っていたとしても、親族よりも格が上にならないようにするため、略式の喪服であるブラックフォーマルを着用します。モーニングコートとは、皇室主催の園遊会や叙勲の授賞式などでよく見る裾が長い黒の上着とストライプのスラックスとベストの組み合わせです。これが、一番格式の高い昼間の正礼装になります。それに対してブラックフォーマルが略礼装となり、昼夜関係なく着用できるスタンダードな礼装という位置づけです。

 

 

ブラックフォーマルのお値段はどれくらい?

ブラックフォーマルは、既成品やオーダーメイドの紳士服店、スーツ専門店、デパートや衣料品店のフォーマルコーナーで購入できます。価格帯としては、安いものでは2~3万円代からあります。若い人が初めて買うブラックフォーマルとしても、手が出やすい価格帯でしょう。ある程度の年齢になれば、4~5万円代、6~7万円代の品質を選びたいところです。体型が変わってもある程度はアジャスターなどで対応できるようになっていますし、時代が変わってもブラックフォーマルは定番のスタイルがありますので流行に関係なく長く着られます。それなら、上質のものを購入しておくとシルエットもきれいで型崩れ等の心配もなく長く活躍してくれるでしょう。8万以上の価格帯のものなら、高級ブラックフォーマルとして深みのある濃い漆黒、最高品質の生地、シルエットの美しさ、着心地などの面で満足のいく1着になるでしょう。ある程度の年齢になると、社会的地位も責任のある立場に立つ人も多くなります。そんな人にこそふさわしいブラックフォーマルといえるでしょう。

 

お通夜とお葬式の服装マナーをご紹介

お葬式ではブラックフォーマルを着用するのが基本ですが、厳密には、お通夜とお葬式では服装のマナーが異なることに注意が必要です。かつてはお通夜は亡くなったという訃報を受けて、駆け付けて弔問をするというものでした。そのときに、正式なブラックフォーマルを着て伺うのは、亡くなることを予想してあらかじめ準備をしていたように受け取られるため失礼に当たる、という考えがありました。現代では、亡くなった当日ではなく別の日にお通夜が執り行われることも多くなっています。そのため、当日にお通夜に駆け付けるということは少ないかもしれません。しかし、昔からお通夜にふさわしい服装のマナーというのがありました。服の色は、濃紺やダークグレーなどの黒に近い地味な色の、カジュアルではないあらたまった服装が良いとされていました。地味な色のスーツなら、目立たないストライプでも構いません。ネクタイは黒か暗めの色合いの地味な柄ありのものでも良いでしょう。また、お通夜に会社から駆け付ける際は普段のビジネススーツに黒いネクタイを合わせる人もいます。女性なら、紺やグレーなどの黒に近いスーツやワンピース、黒に近い色のスカートやパンツスタイルでも良いです。服だけに限らずバッグやアクセサリーも、カジュアル過ぎる素材やデザインのものは止めたほうが無難です。靴もブーツやサンダルなどの派手なものは避け、なるべくシンプルなパンプスが良いでしょう。とはいえ、亡くなってから数日後にお通夜をする場合は、ブラックフォーマルやブラックフォーマルに近い服装で参列する姿の人も増えています。しかし、仮通夜を亡くなった当日に自宅で行う場合は、駆け付ける際にはブラックフォーマルは厳禁です。
お葬式では、男性ならブラックフォーマルスーツはダブル、シングル、三つぞろいのいずれでも構いません。ベストは必ず共生地の黒にします。祝辞用弔事用両用のリバーシブルのベストは、グレーやシルバーを裏にするよう気をつけましょう。ただし、現代では正礼装のモーニングコートでない場合のブラックフォーマルはベストを着用しないほうが多くなっています。ワイシャツは白無地が正式です。襟はレギュラーかワイドタイプのものが適しています。ネクタイは葬儀用の光沢のない黒無地です。黒を基調とした柄物やワンポイントなどはマナー違反です。靴は金具や派手な装飾のないフォーマル用の黒のシューズに黒無地のクルー丈の靴下を合わせます。女性なら、ブラックフォーマルのスーツやアンサンブル、ワンピースになります。肌を見せないことが原則ですので、夏でも長めの半袖や五分袖と露出をなるべく控えましょう。そのため、ストッキングも肌色ではなく黒を履きます。冬でも厚いタイツは避けましょう。靴もプレーンな黒の高すぎないヒールのパンプスを合わせます。

 

失礼に当たるかも!NGな服装とは

お葬式に参列する際のNGな服装について紹介します。知らず知らずのうちにマナー違反をしていないか、以下でチェックしてみましょう。ゴールドの時計やブレスレットなど、結婚指輪以外のアクセサリーは外します。ヘアアクセサリーなども光るものや派手なもの、ニットやファー製品は避けましょう。付けて良いアクセサリーは真珠です。ただし、真珠のネックレスでも二連のものは不幸が重なると忌み嫌われ、失礼に当たりますので気をつけてください。男性のネクタイは、ネクタイピンは付けないのが普通です。バッグは、余計な飾りのないシンプルなデザインの黒の小ぶりのものが無難です。ショルダーバッグやカジュアルなデザインは、なるべく避けましょう。万一、会社帰りなどでやむなくショルダーバッグで参列する場合は、肩紐をコンパクトに結んだり、金具側を内向きにしたりするなど、持ち方を工夫して失礼にならない心遣いをしたいものです。男性の場合も、勤務先や出先から急きょ通夜へ駆けつけるということもあるでしょう。そんなときは、派手なネクタイを外し、駅の売店やコンビニ、葬祭場などで黒ネクタイを購入して締め直しましょう。仕事場のロッカーに1本、黒ネクタイや黒靴下を準備しておく人も多いです。

 

ブラックフォーマルを着こなすために!冠婚葬祭のマナーを知っておこう

一歩社会に出ると、社会常識やマナーという壁が立ちはだかります。ビジネスマナーだけでなく、冠婚葬祭のシーンにおいてもルールやマナーは重んじられます。現代では、わからないことはすぐに調べられる環境にありますので、自分で調べるなり両親や先輩に聞くなどして冠婚葬祭の場でも失礼にならないように配慮をすることが大切です。ひと通りのマナーを身につければ、堂々とブラックフォーマルを着こなすことができるでしょう。

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