知らないと恥をかく!?冠婚葬祭におけるスーツの違い
2018/06/07
- スーツのシーン別マナー
冠婚葬祭は、礼儀や作法など失礼のないように参列したいものではないでしょうか。しかし、突然の知らせに準備が間に合わず手近なもので済ませてしまうと、服装によってはマナー違反になってしまいます。「黒いスーツならば礼服に見えるだろう」と思ってしまいがちですが、黒いビジネススーツと礼服には違いがあるため、わかる人には目立つ姿になるのです。場違いな恰好では相手にも失礼なうえ、参列者に指摘を受けて苦い経験になってしまうことにもつながりかねません。正しい服装のマナーを知って準備をしておくと、いざというときでも安心です。今回は、冠婚葬祭で着る礼服と、黒いビジネススーツの違いについて説明します。
今さら聞けない?まずは礼服の基本を押さえよう!
黒いビジネススーツと礼服は、一見すると似ているように見えますが実は違いがあるのです。一番わかりやすい特徴は、色と生地の質になります。礼服は黒色が濃く深みがあり、ビジネススーツはグレーや紺に近い薄めの黒色になります。室内ならば光が当たらず違いはわかりにくいですが、屋外に出ると他の参列者に比べて色の違いがはっきりと見えてしまうのです。礼服の生地には上質なウールが使われますが、ビジネススーツではポリエステルなどが含まれる場合が多く、光沢などの見た目でかなり差が出てしまいます。また、見た目の違いとしては、ベントの有無でも見分けることができるかと思います。スーツでも動きやすいように、ジャケットの後裾に入っている切り込みをベントといいますが、礼服はノーベントといって用いられていないのが特徴です。スタイルを良く見せるデザインの多いビジネススーツに比べ、礼服は長い期間着られるようにゆったりとしたデザインになっています。このように、礼服とビジネススーツにはさまざまな違いがあるのです。礼服を仕事で着ていると、分かる人はすぐに違和感を持ちますし、相手に悪い印象を与えてしまうことになります。
ビジネススーツと礼服は、きちんと使い分けることがマナーといえます。礼服の種類ですが、格式や使うシーンによって正礼装・準礼装・略礼装の3つに分けられます。格式の高い正礼装には、昼はモーニングコート、夜はホワイト・タイ(燕尾服)があります。結婚式で新郎・新婦のお父さんが着たり式典の主催者が着たりするものです。正礼装は、主となる立場の人が着用するので参列者の場合は着ることはありません。準礼装として昼はディレクターズスーツがありますが、やはり新郎・新婦のお父さんが着ることもあるので、同格の服装にならないように注意が必要です。ブラック・タイ(タキシード)は夜間の準礼装になりますが、燕尾服の使用が減ったため正礼装とされることも多くなっています。カジュアルなパーティーなどでも着回しができ、おしゃれな着こなしを楽しめる礼服です。そして、ダークスーツは略礼装として、冠婚葬祭で一般的に広く使用されているスーツになります。しかし、黒いスーツであればなんでもいいというわけではありません。礼服として仕立てられているスーツと、ビジネススーツの違いをきちんと理解しておくことが大切です。
購入する際には気を付けよう!礼服の選び方とは
礼服は、ビジネススーツとして兼用することはできません。一度購入するとしばらくは買う機会もないので、長く使える良いものを選びたいものですよね。おすすめは、しきたりを重んじる場において、上品で格式高く見える「黒色が深く濃い礼服」になります。光沢のある生地はお祝い事では問題ありませんが、弔い事ではふさわしくないとされるので注意が必要です。シングル・ダブルといったデザインは、略礼装に含まれるため気にする必要はないのでお好みしだいになります。シングルはスッキリとした印象を与え、ダブルはフォーマルとしての貫録があり、それぞれの優れた特徴があります。礼服は長期にわたって使用するため、5年後・10年後でも着られるように流行のデザインは避けて、シンプルなものを選ぶほうが良いです。最初の購入で迷ってしまうときには、裏地のあるオールシーズン用のものを購入し、サイズにゆとりをもたせると寒い時期は中に着込むこともできます。礼服には秋冬用と春夏用があるので、可能ならばどちらも準備しておくと、どんな気温にも対応できて安心です。
気持ちよく祝いたい!結婚式に招待されたときに着るスーツは?
結婚式などのお祝いの席では、略礼装にあたるダークスーツを着る人が一般的に多いです。若い人の中には、親しい友人の式などでグレーやネイビーといった明るめのスーツを選ぶ人も増えています。しかし、参列するときの立場や式の規模などにもよるため、事前に確認しておくことをおすすめします。きっちりとした黒い礼服の方が好ましい場合もあるので気をつけたほうがいいです。 慶事の礼服には、光沢のある白やシルバーのネクタイを選ぶのが基本となります。カジュアルな式では、薄い色合いや柄の入ったネクタイなど、小物選びでさりげなく個性を演出する人も多いです。華やかなお祝いの場では、光沢のある素材や明るい色の小物を身に着けて、おしゃれもしっかり楽しんではいかがでしょうか。また、招待状に「平服で」と書かれている場合は、普段着ている服でいいというわけでなく略礼装程度でという意味になります。男性は、多少派手な色・デザインのネクタイやシャツも身に着けられますが、主役である新郎・新婦より目立たないことが重要です。礼服はきちんと抑えて失礼のないようにして、小物選びでセンスを発揮しましょう。
間違いに注意!お葬式へ参列する場合のスーツとは
お葬式に参列するときの服装として、「喪服」という言葉を聞くことは多いのではないでしょうか。喪服は礼服の一つで、お葬式や法事のときに着る礼服のことになります。慶事で着用する礼服とは違って、喪服には光沢がありません。略礼装のダークスーツと同格のものとして、上下が黒い無地のブラックスーツが販売され広まってきています。しかし、ブラックスーツといっても、色合いや生地の質はさまざまなのです。中には少しグレーがかかった黒色のものもあり、結婚式では問題ないのですが、葬儀で着る礼服としては黒色が薄いといえます。ビジネスシーンで着る細身で丈の短いブラックスーツは、礼服と混同しやすいものです。光沢があるスーツは葬儀で着用するとマナー違反になるので注意が必要です。ビジネススーツと喪服は違うものなので、悲しみの場において遺族や親族の人たちに失礼のないよう、また、恥ずかしい思いをしないために礼服を正しく着用しましょう。
マナーを守って冠婚葬祭に堂々と参列できる大人に!
突然なことが多い冠婚葬祭は、礼儀や作法など正しく行えるか不安な気持ちもあるかと思います。事前にマナーを知り準備をしておくことで、安心して当日を迎えることができます。きちんとしたスーツを着て気持ちに余裕を持つと、挨拶や心配りもスムーズに行うことができるのではないでしょうか。もしものときに慌てて失礼なことがないように、ふさわしい装いを備えておくことをおすすめします。
ふさわしい服を持っていなければ、準礼服のスーツをあらかじめONLYでオーダーしておきましょう。豊富な生地やデザイン、オプションから好みのものを選び、個性的なスーツなどを作ることができます。国内自社工場で仕立てた上質なスーツがリーズナブルな価格で手に入るので、ぜひオンラインストアをチェックしてみてください。