スラックスのアイロンがけのコツとは?いつも気持ちよく着るために
2018/05/22
- スーツTips(豆知識)
スーツのスラックスはセンターの折り目が命です。この折り目をセンタークリースといいます。このラインをくっきり出すためにアイロンがけをするといっても過言ではありません。
しかし、下半身を包むスラックスは立体的な形をしており、アイロンがけが難しいと感じる人も多いでしょう。アイロンのかけ方を間違えてしまうと、センタークリースが消えてしまったり新しいシワがついてしまったりする恐れもあります。このラインがきれいについていないと、途端に普段着のようにだらしなく見えてしまうでしょう。いくら良いスーツを着ていてもそれでは台なしです。
しかし、折り目をつけるために、たびたびクリーニングに出すのも手間とお金がかかって大変です。そこで、今回は家でもピシッときれいにスラックスのアイロンがけができるコツを解説します。
スラックスのアイロンがけで用意するもの
アイロンがけに必要なアイテムを紹介します。まずは、アイロンですが、ハンガーにかけたままシワが伸ばせる軽い小型のハンディアイロンもあります。簡単に部分的にシワを取りたいときにはとても便利なのです。しかし、長い目で見るなら最初の1台は、アイロン台を使うタイプのしっかりとプレスできるスチームアイロンがおすすめです。有名メーカーのものでも4,000~5,000円台で見つかるでしょう。アイロンをかけるときは、あて布が必要です。学生時代に制服のズボンのおしりがテカテカになった人もいるかもしれません。あて布をしないでアイロンをかけると同じように生地にテカリが出てしまいます。薄めの布なら何でも構いません。大きめのハンカチでも代用できます。スチームアイロンのスチーム機能や霧吹き機能がついていても、別に霧吹きを1つ用意しておくと便利です。スチームアイロンの蒸気では生地を通り抜けてしまうため、強いシワがなかなか伸びないときに霧吹きが必要になります。化粧品の詰替えボトルのスプレータイプのものなどさまざまありますが、できればアイロン用の霧吹きが最適です。ちょうど良い範囲にちょうど良い量で浸透しやすい大きさの粒子で噴射されます。500~1,000円前後のもので十分ですし、市販のアイロン用スプレー液の空き容器を使うのでも構いません。アイロンをかけ終わってもまだ生地は熱いままですので、新たなシワがつかないように、手早くスラックス専用のハンガーにつるしてシワを防止しましょう。二つ折りにしてかけるタイプのハンガーは折り目がつきにくい太めのものが安心です。
おすすめなのはクリップで挟んでつるすタイプのハンガーです。前後のセンタークリースを合わせて裾部分を逆さまに挟んでつるすことにより、生地の重みを利用してシワが回復しやすくなります。クリップの跡が生地につきにくくグリップ力のあるハンガーを選びましょう。形や素材でさまざまですが、1本300~2,000円ぐらいです。アイロン台は必ず準備してください。ハンガーにかけてスチームだけでシワを伸ばすより、アイロン台の上でアイロンをかけたほうがアイロンがけしやすく、きれいにかけられます。「床やテーブルに置いて使う長方形のもの」「脚のついた舟形のもの」「人の上半身を型どったもの」などさまざまです。大きなシーツなどをアイロンがけする場合は、なるべく面積の大きい長方形タイプがやりやすいでしょう。しかし、スラックスだけでなくワイシャツも自宅でアイロンをかけたいなら人型のものは扱いやすいです。スラックスメインなら舟形のものでも十分です。「座って使うタイプ」「立って使うタイプ」「高さ調節のできるタイプ」などがあります。自分の好みに合わせて、しっかりと力をかけてプレスするため脚のグラつきのない安全なものを使いましょう。1,000~6,000円の価格帯です。
生地を傷めないように!アイロンがけの注意点
まずは、アイロンがけの注意点を説明します。アイロンは熱する温度が調節できます。なぜなら、生地の種類によって適温が異なるため、温度を変えないと生地を傷めたりシワが伸びなかったりするからです。スラックスの内側についている洗濯表示のタグを確認しましょう。アイロンイラストとともに温度設定が表示されています。ナイロンやアクリルは110~130度の「低温」、ウールやポリエステルは140~160度の「中温」、綿や麻は180~200度の「高温」と表示されていることが多い傾向です。 アイロンの温度設定を適温にして電源を入れましょう。アイロンがけに慣れていない人はスチームは使わず、まずはドライアイロンから試してみたほうがやりやすいかもしれません。アイロンがけは、シワを伸ばしたいところはアイロンを滑らせて、センタークリースのように中心にまっすぐの折り目をつけたい場合は上からプレスするのがコツです。
スラックスのシワを伸ばすためのアイロンがけ方法
スラックスは上の腰回りから裾に向かってアイロンをかけます。腰回りはファスナーやベルト通しなどがついていて立体的なため、どこから手をつけて良いかわかりにくいですね。舟形のアイロン台ならスラックスを履かせるようにして片面ずつかけることができます。平たいアイロン台でも角をうまく使って差し込み、内側の裏地からファスナーを避けながらアイロンをかけてください。生地を表に返し、あて布をしてアイロンをあてていきます。シワが気になる部分は、先に霧吹きで十分に湿らせておきましょう。続いて、スラックスの片足ずつアイロン台に載せ、シワが寄らないように生地を整え、なるべくずらさずに広い面を一気にかけられるように広げます。 その後、あて布をして上から順にプレスします。小刻みに忙しく動かすとシワを作ることになるため気をつけましょう。裾は、生地を持ち上げて開くように内側から一周アイロンをかけます。最後に慎重にセンタークリースといわれる折り目を前後につけていきます。ピシッとした折り目の線が2本にズレないように慎重にあて布をしてアイロンをあててください。軽くアイロンに体重がかかるように乗せるとうまくプレスできます。力任せに押して生地を潰さないように気をつけましょう。もう片方も同じようにアイロンをかけますが、かけ終わった方がグチャグチャにならないようにしてください。
時間がないときはスチームアイロンでシワ伸ばし
スラックスの折り目に関係なく、急いでシワだけ伸ばしたいときに使えるのがスチームです。スチームアイロンに適量の水を入れて電源を入れます。水が多いと蒸気が出るまでに時間がかかるため加減してください。安全な場所でハンガーにつるしたスラックスの気になるシワにアイロンを浮かせてスチームをあてます。スチームが生地になじんだらアイロンを置き、両手でシワの周囲の生地を上下左右に引っ張りシワを伸ばしてください。その後、しばらくハンガーにつるしたまま湿気を飛ばします。スラックスは裾を挟んで逆さまにつるしたほうが自重でシワが伸びやすくなります。ベルトを通しておけばさらに重さが加わり効果的です。
シワのないスラックスが気持ちいい!
スラックスのアイロンがけができるようになったら、クリーニングに出す頻度も減るでしょう。たいして汚れていないのに頻繁にクリーニングに出すと、それだけ生地が早く傷んでしまいます。スラックスも1日履いたら2日休ませるなどローテーションをして着れば長持ちするものです。ピシッとした折り目がついたスラックスは、清潔感もあり姿勢もよく足も長く見えます。ぜひスラックスのアイロンがけを覚えてスタイリッシュにスーツを着こなしてください。