もともとスーツはベスト付き?スーツとベストのコーデ・ポイント

2018/02/16

  • スーツの着こなし・コーデ術

 

日本のビジネスシーンではジャケットとパンツのツーピーススーツが主流です。しかし、スーツの発祥はベストを含めたスリーピーススーツで、もともとの主流はこちらでした。しかし、日本のビジネスマンのほとんどはツーピーススーツに慣れていますから、いきなりベストを着ようと思ってもどう合わせればいいのか分からないという方がほとんどでしょう。
そこで、おしゃれなベストの合わせ方のポイントを解説するので参考にしてみてください。また、ベストを着る必要性を感じないという方のためにベストのメリットについても紹介します。
ベストに対する理解を深めておしゃれに着こなしましょう。

 

ヨーロッパ発祥!ベストの歴史

 

1666年10月7日、英国王チャールズ2世が「衣服改革宣言」を発表しました。
衣服改革宣言は宮廷服を一新するという宣言です。これによって上着、ベスト、下衣、シャツ、タイというスリーピーススーツの原型がイギリスで生まれました。当時、シャツは下着と考えられていたため、シャツ一枚になるのは無礼とされていました。上着を脱ぐには下着の上に中衣が必要で、その中衣にあたるのがベストです。
まだこの頃のベストは袖付きが主流でした。18世紀に入ると上着が細身になってベストの袖部分がきつくなり、袖なしのベストが生まれ、ルイ15世の頃には袖なしが主流となりました。
これが受け継がれて現代のベストが存在しているのです。

 

ベストのメリット1.スタイルが良く見える

ベストを着ることにどのようなメリットがあるのでしょうか。
メリットのひとつは、スタイルを良く見せてくれることです。
スーツはジャケットの前ボタンから首元にかけてVゾーンができます。
ジャケットとシャツだとただV字にすきまが空いているだけですが、ベストを着ることでVゾーンに奥行きが生まれます。
奥行きには体をたくましく見せる視覚効果があるので、胸板が薄い方でもベストを着れば体つきを良く見せられるのです。
また、体にフィットする生地で仕立てられているため、シャツだけの状態よりお腹周りが引き締まって見えます。
色味の濃いベストならより引き締まって見えるので、お腹周りが気になる方は紺やダークグレーのベストを着用しましょう。
このようにベストは体型の弱点をカバーしてくれるので、体型に自信がない方にこそベストはおすすめです。

 

ベストのメリット2.防暑防寒対策になる

もう一つのメリットは温度調節ができることです。
ベストの歴史で説明したようにもともとシャツは下着として扱われていたので、フォーマルな場所ではシャツ1枚になるのはマナー違反とされます。
ですから、温度調節をしたくてもジャケットを自由に脱いだり着たりすることはできません。ベストを着ていれば暑いときはジャケットを脱いでもマナー違反ではありませんし、冬はジャケットとの重ね着で防寒できます。フォーマルな場所で温度調節をするにはベストが適しているのです。

 

スーツ同様ベストもサイズ選びが重要

ベストを選ぶ際はサイズを重視しましょう。スーツのサイズはジャストサイズが基本です。肩幅や袖丈、着丈が大きすぎても小さすぎても格好悪く見えてしまいます。
ベストも同様で、体にピッタリフィットするサイズだと格好良く映ります。腕を軽く横に上げたときに、ベストとシャツの間に隙間ができないくらいの身幅がジャストサイズです。ただし、あまりきつすぎるとシワができてしまうので気を付けましょう。
着丈については、ベストは一番下のボタンを外すのがマナーなのでその状態でベルトが隠れる長さを選びます。パンツとベストがつながって見えている状態が良いコーディネートです。長すぎてもだらしなく見えるのでピスポケットが見えるくらいの短さは保ちましょう。
スーツを選ぶ時と同じように、サイズに気を付けることがベスト選びの重要なポイントです。

 

コーディネートで困らない!スリーピースのすすめ

ジャケットとベストのボタンの位置にも気を遣いましょう。
ジャケットとベストの第一ボタンがあまりに離れていると、Vゾーンにおけるベストの主張が強くなりすぎます。逆に、近いとベストを着ているかどうか分かりにくく、体をたくましく見せるという視覚効果が働きません。他にも、ジャケットとベストの生地やデザインが違いすぎるとちぐはぐな印象を与えてしまいます。ですから、ベスト初心者がコーディネートを考えるなら、ジャケット、ベスト、パンツがセットになっているスリーピーススーツがおすすめです。
スリーピーススーツとしてセットになっているものなら、統一されたコーディネートになっているのでベスト選びで失敗することはありません。あとは、白のワイシャツ、スーツと同系色のネクタイを合わせればOKです。
できれば、ワイシャツの襟がベストに隠れるように襟の広いシャツを選びましょう。
ジャケット、パンツと別にベストを買って合わせるのは難易度が高いですが、スリーピースとしてセットになっているものならベスト初心者でも簡単に合わせられます。

 

スーツに合わせるなら何色のベストがいい?

グレーやホワイト、ネイビーなどのベストは、フォーマルな場でも上品に着こなすことができる色です。
しかし、ダークスーツを着る際は、黒のベストが最適です。
ただし、黒はフォーマル色が強すぎるので、ビジネスシーンでは避けたほうが良いとされています。ビジネスで着られるスーツはネイビーとグレーが多いので、ベストも同じくネイビーやグレーにするのが無難でしょう。
ジャケットと色を変えたいなら、濃い色のジャケットに淡い色のベストの組み合わせがおすすめです。
あまりフォーマルな場に行くことはないから、フォーマルでもビジネスでも使えるベストが欲しいという方はライトグレーを用意しましょう。ライトグレーはフォーマルな場で着ることが多いダークスーツにも、ネイビーやグレーなどのビジネススーツにも合わせられるので1着持っていると便利です。
さらにおしゃれにベストを着こなしたいなら、ベージュやグレーのチェック柄ベストを無地のスーツのアクセントとして着てみましょう。

 

利便性の高いベストは大人の男性にこそふさわしい!

スーツといえばジャケットとパンツのツーピーススーツをイメージする人も多いかもしれませんが、より正装としてふさわしいのはベストも含めたスリーピーススーツです。正装はフォーマルな場にふさわしく、きっちりとした服装になっており、そのような服装こそが大人の男性に似合うファッションといえます。
ベストは利便性が高いだけでなく男の色気もUPさせます。大人の男性こそ、スーツとベストを格好良く着こなしたいものです。

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